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高森明勅
2010.6.11 14:10

海上自衛隊呉教育隊で歴史講話

広島の海上自衛隊呉教育隊に行ってきた。

午前9時半から11時半まで2時間の講演のためだ。
当日では間に合わないので前日に現地入り。

防衛省海上幕僚監部の担当者Y三佐が東京から同行してくれる。
有難いんだが、正直に言えば、移動中も気が抜けず、閉口する。

防衛省も折角なら、若くて可愛い女性自衛官をつけるくらいの配慮があってもバチは当たらないと思うのだが(やっぱり当たるかな)。

夕刻、現地に着くと宿に荷物を預け、用意して頂いた酒席に向かう。

隊司令のI一佐と副長のS二佐、同行のY三佐それに私の4名。

ビール経由で地酒「千福」を頂く。
なかなかうまい。
でも明日が本番、と懸命に抑える。

Y三佐は体格も立派だし顔つきもかなりいけそうだ。

が、任務上ビールのみで酒には決して手を伸ばさない。

ますます私はお酒が飲みにくい雰囲気。

でも打ち解けた懇談は実に楽しかった。

考えてみると呉の教育隊は、もう2度目。

他の教育隊やそれ以外の各地の部隊でもお話をさせて頂いている。

その際、今回のように前日に現地入りするような時は、必ずこうした場を
設けて下さる。

美味しいお酒や、その土地ならではの料理でもてなして頂くのは、もちろん嬉しい。
だがそれ以上に、胸襟を開いた懇談の中で、等身大の自衛隊の一端に触れることが出来た気になれるのが、何よりの楽しみだ。

翌日、会場の体育館に集まったのは20歳前後の若い隊員250名ほど。演題は「元気が出る日本再発見講座」。
質疑応答の時間をたっぷり取った。

多くの隊員たちがじつに積極的に、しかも良い質問をしてくれ、頼もしい。こういう手応えのある反応を見せてくれると、本当に来て良かったと思える。

さらにY三佐は急な所用の為、帰りは、呉から広島の新幹線乗り場までしか同行できなくなったと平身低頭

かくて、一人で東京に向かうことになった私の足取りが、一段と軽くなったのは言うまでもない。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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